実用性のあるガイドラインを作るためには、まずその基本となるポリシーが、自社にとってどのようなタイプになるのか、考えてみることです。
ガイドラインの4類型
ガイドラインのベースになるものは、大きく分けて、4タイプがあり、それぞれ性格が大きく異なっています。
- B to C 企業
- B to B 企業
- 公共団体(地方自治体)
- 学校・病院
BtoC企業
Business to Consumer の略で、企業から消費者へ直接商取引する形態の企業です。ホテル・飲食店・スーパー・コンビニ・書店・ ファッション店・家電量販店などサービス業がこれに当たります。メーカーという、いわれる企業は、自動車やお菓子などの様々な業界がありますが、サプライチェーンの上流に位置しており、厳密にはBtoC企業ではありません。
しかし、ソーシャルメディアの世界では、消費者に近いところのモノを作り供給している点で、BtoC企業群に入れることになります。同様に鉄道、航空などの交 通機関から銀行、保険に至るまで、消費者が日常生活で使うものもここに入ると考えてください。
マスメディアにCMなどをするため、誰にも知られている企業の多くがこのタイプですが、消費者に対するブランドイメージが大切になるのが特徴です。裏を返せば、顧客が個人であるため、イメージが違ったり求めた性能やサービスが提供されないと、クレームや不満となって現れやすいのがこのタイプの特徴です。
BtoB企業
Business to Businessの略で、企業から企業への商 取引をしている企業群です。お客さんが会社であり、個人ではありません。鉄鋼業や素材メーカー、商社や倉庫業から経営コンサルタントなどもここに位置します。
上で取り上げた自動車メーカーや服飾メーカーなども、ディーラーや小売店に卸しているため、BtoBに位置しますが、ソーシャルメディアの世界では、消費者がブランドとして認知しているモノはBtoCに位置づけるため、ここでは省きます。
BtoBの企業群は、お客様もまた企業であり、企業間の取引となるため、お客様の企業からみた企業イメージがより大切になります。製品個々のイメージより、企業が継承している伝統や文化、企業ポリシーなどです。
公共団体(地方自治体)
企業がつくるポリシーとは明確に 区別する必要があります。というのも企業と異なり、営利活動ではなく、「規制」 と「サービス」の両面が行政の仕事だからです。
組織で働く人は社員ではなく職員と呼ぶように、より社会性、公共性が求められ、何人に対しても平等に接する、企業を業者と呼び区別して、より職員の仕事への倫理性を求められます。行政指導はその点で規制に基づいて行われます。
一方、住民サービスを行うのもまた職員であり、広く住民の声を聴く「広報公聴」というセクションが用意されていることからもわかるように、行き届いた行政サービスをするためには、職員一人一人が住民の声に耳を傾ける「傾聴の態度」対応が必要になります。
学校・病院
企業や公共団体と違うのは、組織に属する人に、先生、職員、そして学生・患者という関係がある点です。外部の力は働きにくい特別 権力関係であり、内部の主従関係、先生と生徒、先生と患者という特殊な関係で構成されます。
こうした組織で重要になるのは、各々の立場でソーシャルメディアにどう接するか、という点です。先生には「職業倫理」、生徒や患者には「間違った使い方をしない」ことをポリシーに盛り込む必要があります。また特に重要なのことは、「個人のプライバシー」をどう守るか、という点も厳しく求められます。