何を書けばネット中傷で訴えられるか(その2)

その1をまだまだお読みでない方は、まず「その1」をお読みいただき、その後にこちらの記事を読んでいただくことをおすすめいたします。

2.名誉毀損罪

不特定又は多数の者に対して、ある特定の者の信用や名声といった社会的地位を違法に落とす行為を言います。ネット中傷の殆どがこれです。民事上の損害賠償責任を負う(民法709条等)ほか、刑事上の名誉棄損罪(刑法230条1項)の責任も追及されます。「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金」です。

(書き込み例)
「あの会社の社長には、愛人が3人いる」「彼は逮捕された前歴がある」「彼の出自は部落だ」「あのタレントは、通名を名乗っているが在日だ」
というような場合です。たとえそれが事実であっても、名誉毀損になります。逆に事実の摘示を伴わないような場合は侮辱罪となります。例えば「あの会社の社長の頭は猿なみだ」「あいつはゲス野郎」「死ね」などです。

親告罪ですから、被害者が訴えでなければ、刑事責任は負いません。多いのが損害賠償を求められる民事責任です。

近年、元橋下大阪府知事の訴えを認めた大阪地裁の判決がありました。岩上氏の名誉毀損を認めた判決でしたが、単なるリツイートで名誉毀損になると騒ぎになりました。岩上氏は控訴する意向なので、今後上級審でどうなるかはわかりませんが、注意が必要です。

執筆者 田淵

他人のプライバシーや名誉、差別的な発言をした投稿や書き込みは、無視してスルーしてください。リツイートや転載、シェア、いいね!はしない方が安全です。もちろん自らこうした記事を書いたり投稿することもしてはなりません。

注意が必要なのは法律の「人」は、人間だけではなく企業や団体も含まれることです。ですので、「会社幹部はみんな在日出身者。日本から出ていけ」などの文言も、名誉毀損になる可能性があります。

目次

SNS利用で、おもわぬ落とし穴に落ちないように

ソーシャルメディアが普及し、誰もが簡単にクリックひとつで拡散できてしまう時代です。中でもSNSは、情報共有が大きな特徴であり、「共感」の心が思わぬ事態を引き起こすということを肝に銘じて、ネットと付き合ってほしいと思います。

人の役に立つ情報と思ったからといって、拡散してはいけません。事実無根のことだってありえます。佐賀銀行デマメール事件を思い出してください。特に経済的な問題に触れた投稿には気をつけましょう。緊急メール!にも注意してください。

倫理的に許せないと思ったからといって、拡散してはいけません。人違いのことだってあります。あおり運転でケータイ女と書かれた女性は別人でした。ご本人は法的対応を検討されています。同姓同名だからとって安易に信じ、ネットで誹謗中傷に加担する行為は、名誉毀損をしていることになるのだと、わきまえましょう。

応援したい、助けたいからといって、事実を確認しないまま拡散してはいけません。被災地に寄付を募る場合は要注意です。寄付の詐欺の片棒を担がされているかもしれません。

投稿(記事)に賛同するからといって、拡散してはいけません。「リツイートが法的責任をともなう」場合もあるのだと認識を新たにし、肝に銘じましょう。特に人の名誉や信用を毀損する(人間だけではなく企業・団体も)書き込みや投稿(写真や動画も含む)について、今後は転載、拡散に十分気を配ってほしいと思います。

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